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「残りわずか!!」が殺し文句 通販番組の舞台裏
「残りわずか!!」が殺し文句 通販番組の舞台裏
5月15日10時28分配信 産経新聞
「残り、あとわずかです!」。そんな殺し文句に誘われ、思わずテレビショッピングで買い物をしてしまったという人も多いのではないか。深夜時間帯を中心に通販番組が花盛りだが、舞台裏ではどのような工夫で視聴者を引きつけているのだろう。テレビ通販大手のQVCジャパン(千葉市美浜区)の撮影現場を訪ねた。(村上智博)
◆徹底した省力化
千葉・幕張の本社が入るビル内に撮影スタジオはあった。足を踏み入れると、番組スタッフがわずか数人しかいないのに驚く。いざ本番になると、カメラ4台はすべてコントロールルームのスタッフが遠隔操作。徹底した省力化が図られているのが分かる。
「生放送なので映像の操作は秒単位、しかも編集はできない。素材を説明するVTR映像をテンポ良く挟んだりするのは大変です」と、コントロールルームで番組を仕切っているライブ・プロデューサーの桑田知幸さんは打ち明ける。コールセンターにかかってくる視聴者からの電話注文の件数は目の前のパネルにリアルタイムで表示され、数字の推移に目を光らせる。台本はない。すべて臨機応変に対応する。
同社は10年前に設立。スカパー!などのCSで24時間生放送の無料チャンネルを持っているほか、BS12チャンネルのTwellVでも生放送で多彩な商品を視聴者に届けている。昨年の売上高は約810億円に達しているという。
取材に訪れた日は最初、ハチミツが取り扱われていた。在庫が20%を切ったのを合図に、ナビゲーターの河口美和さんが「残りわずか。お早めに!」と声のトーンを上げる。
やがて商品は次のビーフシチューに移った。裏方がスタジオ内で手際よく煮込み、河口さんらが着ているエプロンの濃い色をバックに、白い湯気をふわりと立たせる。通販番組はライブ感覚が命。このように視聴者が思わず衝動買いしそうな、あの手この手の工夫が施されている。
「たとえば『洋服の裏側を見せてほしい』との電話がお客さまから一本でも飛び込んでくれば、すぐにスタジオにつなぎ、カメラを裏地にズームアップする。これも生放送の強みです」と桑田さんは力説する。
◆女性の目線で
こうして生放送は夜更けまで延々と続いた。同社によると、コールセンターが一番熱気が帯びるのは、午前0時を回ったころだという。「家事などが一段落した主婦らの注文が多いようです」と分析している。
テレビ通販事情に詳しい通販コンサルタント、良子ビューエルさんによると、テレビ通販市場は、8年前の日韓サッカーW杯でケーブルテレビが普及したのをきっかけに広がり、番組の数も増加。今は成熟期に差しかかっているという。
さらにここにきて新たな動きも出てきている。健康食品や化粧品などのメーカーの中には、BS局などのスポット枠を購入して商品紹介番組を放送するところも登場。また百貨店などで苦戦している大手の食品会社などが、新たな販路をテレビ通販に求めて"参戦"してきてもいる。
ビューエルさんは「見せ方ひとつで視聴者は動きます。利用者の大半は女性なので、女性の目線に立ち、『ここだけの話なのですが...』とのお得感をいかに打ち出して独自のブランド化を図るかが、これまで以上に問われるでしょう」と話している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100515-00000534-san-ent